ハヤカワ ダニエル・キイス文庫
訳・小尾芙佐
1999年10月 発行
485頁
32歳になっても幼児の知能しかないパン屋の店員チャーリィ・ゴードン
そんな彼に夢のような話が舞い込んだ
大学の偉い先生が頭をよくしてくれるというのだ
この申し出にとびついた彼は、白ネズミのアルジャーノンを競争相手に、連日検査を受けることに
やがて、手術により、チャーリィは天才に変貌するが…
超知能を手に入れた青年の愛と憎しみ、喜びと孤独を通して人間の心の真実に迫る
通常、著者や訳者は巻末で“あとがき”や“解説”で内容について触れますが、本書は冒頭、著者による“日本語版文庫への序文”から始まります
テストで良い点数を取っても、他人に対して思いやりをもつ能力を欠いていれば、空しい
人間のこの特性を欠いている人々は残忍な嘲笑と空威張りの仮面のかげに隠れている
家庭でも学校でも、知識の探求にくわえて共感する心というものを教えるべきだ
われわれの子供たちに、他人の目で見、感じる心を育むように教え、他人を思いやるように導いてやるべきだ
自分たちの家族や友人たちばかりではなく、異なる国々の、さまざまな種族の、宗教の、異なる知能レベルの、あらゆる老若男女の立場に自分をおいて見ること
こうしたことを自分たちの子供たち、そして自分自身に教えることが、虐待行為、罪悪感、恥じる心、憎しみ、暴力を減らし、すべての人々にとっても、もっと住みよい世界を築く一助となるのだと思う
予備知識なしで読み始め、読み終わってから序文を再読
ジャンルはSFですが、内容の濃い物語に考えさせられることばかり
自分はチャーリィに寄り添うことが出来るのでしょうか
考えるだけではダメ
実行にうつさなければ読んだ意味はありません
裏表紙の内容紹介の最後に、全世界が涙した現代の聖書、とあります
涙することはありませんでしたが、最後の一文にウルっときました
ついしん。どーかついでがあったらうらにわのアルジャーノンのおはかに花束をそなえてやってください。
内容は違いますが、ロビン・ウィリアムズ&ロバート・デ・ニーロの“レナードの朝”を思い出しました