2011-04-01から1ヶ月間の記事一覧

小川洋子「寡黙な死骸 みだらな弔い」

中公文庫2003年3月 初版発行2006年4月 6刷発行238頁 インパクトのあるタイトルですね時計塔のある街で起きた些細な、しかし残酷で不気味な出来事を綴った連作短編集です 「洋菓子屋の午後」「果汁」「老婆J」「眠りの精」「白衣」「心臓の仮縫い」「拷問博…

杉浦日向子「うつくしく、やさしく、おろかなりー私の惚れた「江戸」」

ちくま文庫2009年11月 第1刷発行解説・松田哲夫225頁 あっけらかんとお目出度く生きようとしていた江戸の人たち彼らの暮らしや紡ぎ出した文化にとことん惚れこんだ著者が思いの丈を綴った最後のラブレター 大きく以下の3つの章に分けられています壱・江戸の…

フィニイ、ヤング他「時の娘」

中村融編創元SF文庫2009年10月 初版2009年12月 3版352頁 ロマンティック時間SF傑作選SFだけが描ける切ない恋の物語 ウィリアム・M・リー「チャリティのことづて」1700年の夏、アンズタウン何週間も床に伏し、高熱に苦しんだチャリティ時は流れ1950年の夏か…

映画・まほろ駅前多田便利軒

東京郊外のまほろ市 まほろ駅から走って1分、歩いて3分のところにある雑居ビルで便利屋を営む多田・瑛太 ある年の正月、中学時代の同級生、行天・松田龍平が転がり込んでくる 三十路、バツイチ ワケありな二人が便利屋の仕事を通して様々な人間模様や出来事…

竹内薫「理系バカと文系バカ」

PHP新書2009年3月 第1版第1刷2009年4月 第1版第2刷215頁 内容紹介より自分の好きな世界に没頭しすぎて、極端な行動に走りやすい「理系バカ」他人の情報を鵜呑みにして、その場の空気に流されやすい「文系バカ」彼らの行動パターンから見えてくる思考の偏り…

映画・ブンミおじさんの森

英語題 UNCLE BOOMMEE WHO CAN RECALL HIS PAST LIVES 2010年 イギリス・タイ・ドイツ・フランス・スペイン合作 2010年カンヌ映画祭パルムドール賞受賞 タイ東北部 ラオス国境にほど近い農村 腎臓の病に冒されているブンミおじさんは亡き妻の妹ジェンを呼び…

宮部みゆき「初ものがたり」

新潮文庫1999年9月 発行2009年9月 27刷269頁 白魚、鰹、柿、鮭、桜江戸の四季を彩る初ものがからんだ謎を描く連作短編集 本所深川一帯をあずかる茂七親分と子分が謎解きに駆けまわる殺人事件、不思議な出来事の中に描かれる親子兄弟、男女の情、苦悩、因縁…

織田正吉「笑いのこころ ユーモアのセンス」

岩波書店2010年6月 第1刷発行214頁 商品としての笑い日常生活の笑いおかしさ-笑いの要因-おかしさの心理学おかしさを作るナンセンスユーモアとは何か 柔軟な精神で固定観念にとらわれず視点を変えて別の見方もありうることを想像する結果としてそれが常識…

荻原浩「さよなら、そしてこんにちは」

光文社文庫2010年11月 初版第1刷発行解説・瀧井朝世281頁 「さよなら、そしてこんにちは」葬儀会社に勤める男性仕事柄、ちょっと困るのは笑い上戸だということもうすぐ生まれてくる子供のことを考えるとお葬式の司会をしながらも思わず微笑が… 「死」を扱っ…

広瀬正「マイナス・ゼロ」

集英社文庫1982年2月 第1刷1998年11月 第12刷2008年7月 改訂新版 第1刷解説・星新一507頁 広瀬正さんは昔々「鏡の国のアリス」を読みましたなので本作は、ン十年を経て2冊目ということになります 1945年東京空襲の最中、隣家の「先生」の様子を見に行った浜…

小川洋子「凍りついた香り」

幻冬舎文庫2001年8月 初版発行2006年7月 6版発行318頁 何の前触れもなく恋人が自殺してしまった遺書も残されておらず、自殺の理由もわからない 彼の机の引き出しで見つけたフロッピーディスクに残されていた言葉「岩のすき間からしたたり落ちる水滴。洞窟の…

熊谷達也「荒蝦夷」

集英社文庫2007年12月 第1刷解説・佐藤賢一380頁 大和の軍勢に敢然と立ち向かった蝦夷の英雄アテルイの父親、呰麻呂(アザマロ)の活躍を描く歴史小説アテルイが主人公の「まほろばの疾風」の前日譚と想像していましたが、かなり違うものでした 貞観地震の…

バーナード・マラマッド「喋る馬」

訳・柴田元幸スイッチ・パブリッシング2009年10月 第1刷2010年4月 第2刷245頁 マラマッドはアメリカのユダヤ系作家貧しいユダヤ人を描いた物語は、奇抜で驚かされるのですが、読み進むに従って、哀しくユーモアのあるマラマッドの世界に引きずり込まれてい…

満開の桜

昨日はこれぞお花見日和!というお天気でした 名城公園の桜と名古屋城天守閣です お城と桜 最高の取り合わせです♪

北村薫、宮部みゆき編「とっておき名短篇」

ちくま文庫2011年1月 第1刷発行336頁 穂村弘蜂飼耳川上弘美塚本邦雄飯田茂実戸板康二深沢七郎松本清張大岡昇平岡田睦北杜夫 北村薫、宮部みゆき、目利き両氏を唸らせた短編が勢揃い 特に面白かったと思うのは 松本清張「電筆」日本の速記術の創始者である田…

映画・津軽百年食堂

原作・森沢明夫 原作のレビューはこちらへ http://blog.goo.ne.jp/mikawinny/e/c3e79f73a80976b7af4733715343d9ad だいたいのところは原作に忠実でしたが 原作より主人公・大森陽一の実家に寄せる思いを強く描いていたように感じました 明治時代の大森食堂…