ま行の作家

森沢明夫「桜が散っても」

幻冬舎 2024年12月 第1刷発行 2025年2月 第2刷発行 334頁 趣味の釣りをきっかけに、週末を桑畑村で過ごすようになった忠彦 現地でできた親友の浩之をはじめ、温かな人々や美しい自然に囲まれた桑畑村は、彼にとって「第二の故郷」と呼べるほどの場所でした …

森沢明夫「おいしくて泣くとき」

ハルキ文庫 2022年5月 第1刷発行 422頁 無料で「こども飯」を提供する『大衆食堂かざま』 店のオーナーの息子・心也は、怪我で大好きなサッカーができなくなり、中学最後の夏休みを前に晴れない気持ちを持て余している また心也は、時々こども飯を食べにくる…

森絵都「あしたのことば」

小峰書店 2020年11月 第1刷発行 2021年2月 第2刷発行 177頁 言葉は新しい未来へつながるー 森絵都が〈言葉〉をテーマに綴った8つの物語 「帰り道」…しらこ/絵 思っていることをうまく言葉にできない律は、「どっちが好き」という話題であいまいな返事をして…

宮部みゆき「新しい花が咲く ぼんぼん彩句」【再読】

新潮文庫 2025年12月 発行 2026年1月 3刷 解説・倉阪鬼一郎 391頁 2023年刊行「ぼんぼん彩句」の続編が出たと思い図書館に予約 40人以上待ちだったのが意外に早く回ってきていそいそと持ち帰って読み始めたら… ぼんぼん彩句ではありませんか… 文庫化にあたり…

森絵都「ラン」【再読】

理論社 2008年6月 第1刷発行 463頁 9年前に両親と弟を 2年前に親代わりの叔母を亡くし 何となく日々を送っている夏目環・22歳 バイト先で嫌なことがあったある日の夜仲良くなった自転車屋さんから貰った自転車・モナミ1号に乗って約40km爆走し環が行き着いた…

宮下奈都「静かな雨」

文藝春秋 2016年12月 第1刷発行 107頁 「忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない」 新しい記憶を留めておけないこよみと、彼女の存在が全てだった行助の物語 淡々とした物語の中に宮下さん独特の世界が確立されています 行助とこよみの会話がシンプルな…

村木嵐「まいまいつぶろ 御庭番耳目抄」

幻冬舎 2024年5月 第1刷発行 2024年6月 第4刷発行 264頁 青名半四郎 またの名を『万里』 徳川吉宗、家重の将軍二代に仕えた御庭番は江戸城の深奥で何を見、何を聞いたのか? 徳川吉宗の母・浄円院の口から出た孫・家重廃嫡の真意とは 老中首座を追われた松平…

町田そのこ「宙ごはん」

小学館 2022年6月 初版第1刷発行 2023年3月 第4刷発行 365頁 宙(そら)には、育ててくれている『ママ』と産んでくれた『お母さん』がいます 厳しいときもあるけれど愛情いっぱいで接してくれるママ・風海(ふみ)と、イラストレーターとして活躍し、大人ら…

宮部みゆき「青瓜不動 三島屋変調百物語九之続」

角川書店 2023年7月 初版発行 458頁 行く当てのない女達のため土から生まれた不動明王 悲劇に見舞われた少女の執念が生んだ家族を守る人形 描きたいものを自在に描ける不思議な筆 そして、人ならざる者たちの里で育った者が語る物語 恐ろしくも暖かい百物語…

村木嵐「またうど」

幻冬舎 2024年9月 第1刷発行 293頁 全てを奪われても、志を奪うことは誰にもできない いつか必ず、次の一里を行く者がある 「この者は、〈またうど〉の者なりーー」 徳川家重の言葉を生涯大切にし続けた老中・田沼意次 彼は本当に、賄賂にまみれた悪徳政治家…

宮部みゆき「<完本>初ものがたり」

PHP文芸文庫 2013年7月 第1版第1刷 2013年8月 第1版第2刷 解説・末國善己 -ミヤベ・ワールドが凝縮された一冊 467頁 いやし 〈医療〉時代小説傑作選(PHP文芸文庫)に収録されていた 宮部みゆき「寿の草」を読んで回向院の岡っ引き・茂七親分が登場する「初…

村上春樹「東京奇譚集」【再読】

新潮社 2005年9月 発行 2005年11月 4刷 210頁 吉田羊さん主演の映画「ハナレイ・ベイ」の原作が村上春樹さんなのですが、数少ない“既読“村上作品なのに全く記憶が無くて再読しました ブログ記事も見当たらないので読んだのは2008年以前みたいです 肉親の失踪…

丸山正樹「漂う子」

文春文庫 2019年11月 第1刷 解説・大塚真祐子 288頁 続編にあたる2022年発刊の「キッヅ・アー・オールライト」を読んで知った本作 デビュー作「デフ・ヴォイス」以来5年ぶりに刊行された丸山さん2作目の小説とのことです 「居所不明児童」――親などに連れられ…

町田そのこ「ぎょらん」

新潮文庫 2023年7月 発行 2023年10月 5刷 解説・壇蜜 512頁 人が死ぬ際に残す珠「ぎょらん」 それを嚙み潰せば、死者の最期の願いがわかるのだといいます 地方都市の葬儀会社に勤める元引きこもり青年・御舟朱鷺は、ある理由から都市伝説 めいたこの珠の真相…

村木嵐「阿茶」

村木嵐「阿茶」 幻冬舎 2022年3月 第1刷発行 315頁 「一体どうすれば、天下が取れるのか」 美貌も有力な後ろ盾も無い阿茶には、男を凌ぐ知恵がありました。 夫亡き後、徳川家康の側室に収まり、その才を生かし、織田・豊臣の天下を生き延びます そんな彼女に…

湊かなえ「落日」

角川春樹事務所 2019年9月 第1刷発行 380頁 新人脚本家の甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督長谷部香から、新作の相談を受けます 十五年前、引きこもりだった立石力輝斗が高校生の妹・沙良を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた『笹塚町一家殺害事件』 …

宮部みゆき「昨日がなければ明日もない」

文春文庫 2021年5月 第1刷 解説・杉江松恋 456頁 宮部みゆき流ハードボイルド・杉村三郎シリーズ第5弾 中編3本からなる本書のテーマは「杉村vs“ちょっと困った”女たち」 「絶対零度」 依頼人は50代半ばの品のよいご婦人 一昨年結婚した27歳の娘・優美が自殺…

森沢明夫「大事なことほど小声でささやく」【再読】

幻冬舎 2013年5月 第1刷発行 331頁 初読は2014年6月頃 映画を観た折、原作の内容を覚えていないことが判明 再読しました conysan.hatenablog.com 初読の感想は↓↓↓ conysan.hatenablog.com 身長2メートル超のマッチョなオカマ・ゴンママ 昼はジムで体を鍛え、…

村木嵐「まいまいつぶろ」

幻冬舎2023年5月 第1刷発行2023年12月 第11刷発行330頁暗愚と疎まれた将軍の比類なき深謀遠慮に迫ります口が回らず誰にも言葉が届かない、歩いた後には尿を引きずった跡が残り、その姿から「まいまいつぶろ(カタツムリ)」と呼ばれ馬鹿にされた君主、第9代…

宮部みゆき「よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続」

角川書店2022年7月 初版発行523頁江戸は神田三島町にある袋物屋の三島屋は、語り手一人に聞き手も一人、話は決して外には漏らさず「語って語り捨て、聞いて聞き捨て」という趣向の風変わりな百物語をしていることで知られています従姉妹のおちかから聞き手を…

丸山正樹「夫よ、死んでくれないか」

双葉社2023年10月 第1刷発行269頁大学の同級生だった麻矢、璃子、友里香卒業後しばらく疎遠だった3人は、三十代半ばで璃子の離婚騒動をきっかけに再び集まるようになります共働きの麻矢、バツイチの璃子、子育て中の友里香と立場は異なりますが、夫(おとこ…

町田そのこ「星を掬う」

中央公論新社2021年10月 初版発行327頁千鶴がDV夫から逃げるために向かった「さざめきハウス」には幼い頃に自分を捨てて出て行った母・聖子がいました他の同居人は、娘に捨てられた彩子と聖子を「ママ」と呼び慕う恵真そこに押しかけてくる彩子の娘・美保普…

宮野入羅針「八事の町にもやさしい雪は降るのだ」

幻冬舎2023年11月 第1刷発行203頁中学一年の冬、思いを寄せる幼馴染の杉浦沙耶伽を守るため、大きな罪を犯してしまった長瀬律それから6年、人知れず罪の呵責を抱えたまま大学生になった彼の前に北海道へ引っ越していった沙耶伽が現れます奇跡の再会をきっか…

森絵都「獣の夜」

朝日新聞出版2023年7月 第1刷発行243頁ありふれた一日のはずだった、のに眼の前の世界が不意にぐらりと揺らぐ瞬間を、さわやかに、艶めかしく、ユーモラスに描き出します「雨の中で踊る」コロナ禍中にリフレッシュ休暇を取らねばならなくなった会社員の男性…

三浦しをん「舟を編む」【再読】

光文社文庫2015年3月 初版第1刷発行解説・平木靖成347頁玄武書房の営業部員・馬締光也は言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれます新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まります定年間近のベテラン編集者・荒…

皆川博子「夜のリフレーン」

編・日下三蔵角川文庫2021年2月 初版発行304頁ミステリ、幻想文学、歴史小説破格のスケールと妖艶かつ幻惑的な物語で読者を魅了してやまない物語の女王が、幻想と綺想のあわいで紡ぐ短編集様々な内容の短編集で長編とはまた違った趣があります短いのに深い、…

宮部みゆき「ぼんぼん彩句」

角川書店2023年4月 初版発行320頁深い洞察力と鑑賞力で12の俳句から紡ぎ出した玉手箱俳句から着想を得ての短編集とのこと面白い試みです各話、印象は異なりますが全体に登場人物が心を病んでいて暗くて辛い内容に1話毎に時間を置いたため読み終わるのに時間…

丸山正樹「キッズ・アー・オールライト」

朝日新聞出版2022年9月 第1刷発行270頁NPO法人「子供の家」の代表で、虐待、差別、体罰、貧困といった子供の人権救済活動に関わっている河原ある日、SNS上で〈このままだとあたし、おばあちゃんころしちゃうかも〉というヤングケアラーと思われる書き込みを…

町田そのこ「あなたはここにいなくとも」

新潮社2023年2月 発行252頁さまざまなおばあちゃんが登場する短編集「おつやのよる」自分の家族、親族を恥じていて恋人・章吾に紹介できずにいる清陽(きよい)故郷の祖母が急死したとの報せを受け、急ぎ実家に戻ります通夜の夜というのに、もめ事ばかりが噴…

村井理子「兄の終い」

CCCメディアハウス2020年4月 初版2020年5月 初版第3刷169頁宮城県塩釜警察署刑事第一課から夜遅く、「私」の携帯にかかってきた1本の電話それは、既に両親を失くしている「私」の唯一の肉親であり、もう何年も会っていなかった兄の訃報でした発見者は兄と暮…